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法律行政学科教員に聞く?橋爪英輔助教?前編?


2021年の秋セメスターから憲法学を専門とする橋爪ゼミナールが開講され、1期では14名の学生が所属しました。担当教員やゼミナールについて質問形式で紹介します。前編は、教員と分野についてのインタビューです。

*質問はPeing-質問箱-を用いてゼミ生が投稿し、ゼミナールで回答したものをさらに編集しています。

法律行政学科 橋爪英輔 助教
(学内研究室にて)

―先生は学生時代に法科大学院(ロースクール)進学を目指していたとききましたが、なぜ研究の道に進んだのでしょうか。

橋爪:そもそも法科大学院というのは何なのかざっくりと説明しましょう。弁護士や検察官、裁判官を法曹といい、司法試験に合格し司法修習を経ないとなれない職業ですが、私のときはちょうど過渡期で旧司法試験に一発合格するか、法曹となるための実務的な勉強をするための法科大学院(ロースクール)に進学し、修了後に新司法試験を受ける方式でした。今では法科大学院の修了による司法試験の受験資格を予備試験の合格によって得られます。本学でも最近ちらほら法科大学院をめざしている人もみかけます。

大学進学当初は、大講義室で講義を行っている先生の姿がカッコよく、話もおもしろくて、学者に憧れました。ただ当時は、予備校に通いながらロースクール進学を目指す人が多く、徐々に弁護士のルートも考えていたため、法科大学院に進学し、その後研究大学院の博士課程に進むという目標になったのですが、結局ある大学の法科大学院に合格したもののカリキュラム的に研究の道に向いていないところで、直接推薦で研究大学院の修士課程に進学することにしました。そのときの勉強も無駄にはなっていませんね。

―法律の勉強をしながら、公務員試験は考えていましたか?

橋爪:学部当時(2010年ごろ)、まわりには法科大学院進学志望、国家公務員?地方上級志望、両方を志望する人が結構いました。私も説明会に行くなどして、そちらにも興味をもっていました。一番興味があったのは内閣法制局?衆議院法制局?参議院法制局です。ただ学部3年生のときに、東日本大震災で就活スケジュールが乱れてしまったので、8月以降に試験が置かれている法科大学院一本に絞りました。研究大学院は学部成績で推薦資格を得ていましたので、保険としてもっていました(笑)。ただ、公務員試験との両立は結構難しいなと感じていました。公務員試験はオールマイティな知識が必要ですが、法科大学院は法律だけ勉強すれば受かりますし、大学によって科目数が異なりますので対策はしやすいと思います(一部の法科大学院は語学の外部試験成績が採点に含まれます)。法律の部分では共通していても、法科大学院では専門的で判例の深い理解や論証の技術が必要である一方で、公務員試験は問題文の正確かつ迅速な理解によって多くの問題を解くことが必要になる、(そういう意味でもやるべき勉強方法は異なっていると感じました。必要な学習時間は同じくらいでしょうか。また、公務員試験は種別や各地方公共団体によっても試験科目が異なるので、事前の情報収集も大切ですね。

―憲法の研究の道に進んだのは何故ですか?

橋爪:答えが難しいですね(笑)。もともと刑法の授業で学者になりたいと思ったので刑法の研究者を目指しました。当然ゼミも刑法のゼミに行きたかったのですが、その年は希望のゼミの募集がなくて、結局友人が行こうとしていた憲法のゼミに入りました。憲法もちょうど奥深さを感じていた時期でしたので、この2分野で悩んでいた感じです。そのままゼミの先生を指導教授として進学しましたが、大学院の研究もフランス憲法のなかで、刑事裁判に関わる部分も扱っていました。そもそも憲法が国の最高法規という位置づけであり、あらゆる法分野に多少の関わりがありますから、よく履修者から「他の授業でやったことと被ってますね」と言われます。特に行政法、刑事訴訟法や防衛法の授業の基礎部分は憲法で扱います。

―憲法学の魅力は何ですか?

橋爪:憲法はどんな法かといえば、国の最高法規であることと、人権保障と統治機構についてのルールを大きな内容としている法であるといえます。上で述べたように、あらゆる法分野に関わってくるので大前提の知識としてみんなが身につけていただきたい分野ですね。他の法律と異なり、未だに改正がなく、70年以上も前の条文から変わっていないから発展がないのかと思われがちですが、憲法が関わる実社会の問題はどんどん登場していますので、親御さんの世代の方で大学の憲法を勉強した方でも、今の授業を受けると新しい判例や事例が出てきます。最近では夫婦別氏制度の問題とか、旧優生保護法の問題などが裁判も含めて注目されています。憲法は人権の分野も大事ですが、国家や地方の政治についても関係します。むしろそれについて定めることが憲法のもともとの役割です。

大学の授業で扱う憲法はいろんな教科書に共通して書かれ、司法試験や公務員試験の問題になるような通説や判例を紹介しますが、それは「氷山の一角」のような感じで、その前提や背景に、モンテスキューやルソーといった政治思想に始まり、さまざまな学説の議論や他国などの比較があるわけです。沼にハマってそういう側面を学ぶとひと味違う憲法学の魅力に気づくのではないでしょうか。

―先生が学生の時に1番力を尽くしたことは何ですか。

橋爪:第二外国語であるドイツ語の勉強ですね。大学院以降はフランス語でしたが、ドイツ語のある曜日(週2)はいつも学食で食事をしながら単語や文法のテスト勉強していました。そのおかげでよくテストにSehr gut!(=very good!)と書かれていました。授業だけではなく、ひとりで図書館での読書や自習の時間をつくることも大事です。それぞれ時間割もめざす進路もひとりひとり異なるわけですから。本学でも必修の英語の他に、第二外国語も履修できますので、英語以外の言語も学ぶといろいろな発見があります。

―逆にやっておきたかったことは何ですか。

橋爪:サークルとか部活動でしょうか。高校のときは剣道をしていましたが、上の代のキャプテンが大学の剣道部に所属されていて、入学後に勧誘を受けましたものの、すでにバイトをしていたので断りました。今思えば、四段の段位をとりたかったですね。

―好きな芸能人はいますか。

橋爪:急にプライベートな質問ですね(笑)。最近はほとんどテレビを見なくなってしまいまして、あまり浮かばないですね。運転中に音だけでコントや漫才などを聞いていますので、お笑いが好きですが、流石に数が多すぎて追えていません。私が担当している法学のスライドにはいろいろお笑いや漫画?アニメに関する小ネタが仕込まれていますので、履修したら探してみてください。

―学生生活で大事なことは何ですか。

橋爪:1?2年生の間に自分なりの勉強方法を確立することですね。例えば分厚い教科書を自分で読むときに、自分なりの着眼点とかマーカーの引き方とか、授業のときのメモのとり方、そういったことを試行錯誤してフィットしたものを見つけることが重要です。私も400頁以上の体系書を読むときの線の引き方やマーカーの方法は学部時代から変わっていません。私は重要事項を黄色のマーカーにしていますが、定義を覚える必要のある用語は緑、論点はピンクの下線、反対説は山吹色(薄いオレンジ)、判例や学者名を水色みたいに色分けして、後で見たときの検索性を高めています。大学卒業後に勉強した法分野もあり、勉強法を確立するとそういうときに役に立ちます。

写真は学部2年生の春休みに読破した辻村みよ子『憲法(第3版)』(日本評論社、2008年)全566頁。

もう一つ大事なことは、2周目の勉強ですね。もちろん大学の単位は授業内の勉強の他に1つの授業につき週4時間の授業外学修が必要となっています。ですが、法律学は、単位をとった後にもう1度その分野の教科書や体系書を買って自分で読み込むという2周目の勉強をするとより理解が深まります。民法や民事訴訟法などは、後で扱う内容であっても、最初から話に出てくることが多いです。例えば、本学では代理については民法Ⅰ、契約については民法Ⅱで学びますが、代理が問題になるときは、契約のケースで説明することが多いです。体系的に順番に教えたくても、なかなか難しい性質の分野です。ですので、1度学修を終えた後に、自分で2周目の勉強を体系立ててやると新しい気付きやそのときにわからなかったことがわかるかもしれません

後編はゼミナールについて、お話します。