全国十大赌博官网

图片

グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


法律行政学科ニュース

ホーム > 法律行政学科ニュース > 法律行政学科教員に聞く?山梨光貴助教?

法律行政学科教員に聞く?山梨光貴助教?


「法律行政学科教員に聞く」の第2弾ということで、第1弾を執筆した橋爪が、今年着任されたばかりの山梨光貴先生にインタビューしてしまいました。

山梨先生は犯罪学?刑事政策のご専門であり、2022年度はゼミナール?卒業研究に加えて、犯罪学、刑事政策、被害者学、社会安全政策、社会安全政策演習Ⅰ?Ⅱ?Ⅲを担当されています。

それでは、山梨先生、どうぞよろしくお願いいたします。

山梨:よろしくお願いします。4月に着任したばかりの新米を紹介してくださるなんて光栄です!

法律行政学科 山梨光貴 助教
(研究室にて)

簡単に自己紹介をしておくと、私は静岡県の旧清水市(現静岡市清水区)の出身です(山梨なのに!)。ちびまる子ちゃんやサッカーチームの清水エスパルスで有名な町です。

茨城にやってくるのは今回が初めてですが、海の近くで育ったこともあり魚料理が大好きなので、茨城の海鮮グルメに興味津々です!

専門は犯罪学?刑事政策で、罪を犯した人の社会復帰支援を中心に研究を続けています。

Q1. (橋爪)山梨先生がご専門の犯罪学や刑事政策ではどのようなことを学べるのでしょうか。

山梨:まず、犯罪学では犯罪という現象について多角的な視点で学ぶことができます。一口に「犯罪」といっても、たとえば、生物学の視点から分析するのか、心理学の視点から分析するのか、社会学の視点から分析するのかで、その「見え方」は異なってきます。犯罪学では、そのような様々な視点を通して、犯罪についての理解を深めていくことになります。生物学や心理学に社会学、さらには歴史、宗教、建築、文化、政治といった様々な分野の知見に触れることができて、とても刺激的でワクワクする学問です。

これに対し、刑事政策では刑事司法システム(犯罪を処理する公的な制度)を中心とする犯罪対策のあり方を学ぶことができます。「警察?検察?裁判?矯正?保護」という一連の手続きに沿って、犯罪(者)が刑事司法においてどのように処理されていくことになっているのかを学びながら、犯罪のない安全で安心できる社会を実現するために、刑事司法に何ができるのかを考えます。刑事政策では、刑法や刑事訴訟法、少年法といったお馴染みの法律に加え、刑事収容施設法や更生保護法などなど、多くの法律を参照することになります。その意味で、犯罪学よりも法律行政学科っぽい科目です。

犯罪学と刑事政策の関係性について、何か決まった考え方があるわけではありませんが、私は両者を不可分一体あるいは相互補完的な関係にあると理解しています。犯罪の理解なくして犯罪対策を論じることはできませんし、犯罪対策の知識なくして犯罪を分析することもできないからです。ですから、自己紹介の際は、いつも「犯罪学?刑事政策の研究をしている」とセットで言及するようにしています。

Q2. (橋爪)先生がこの分野の研究に進んだきっかけや理由はありますか。

山梨:簡単にいえば、学部時代に受けた犯罪学の講義が面白かったからです。

私はもともと弁護士になりたいと思っていました。理由は単純で、私が小学生、中学生の頃に法廷や弁護士を題材にしたドラマが流行っていて、それに影響されたかたちです。特に記憶に残っているのは『白い巨塔』(フジテレビ版)の第二部です。細かい点はうろ覚えですが、法廷を舞台にアツいやり取りが交わされているのをみてカッコイイと興奮した覚えがあります。今思えば別に弁護士は活躍していなかったような気もしますが(笑)。

いずれにしても、法律を勉強して弁護士になりたいと意気込んで法学部に進学したわけですが、1年生のときに履修できる法律科目はあまり多くなく、民法(総則と物権)と憲法(人権)くらいだったように記憶しています。そのため、1年生のときは語学(英語とドイツ語)に加え、心理学や倫理学、現代技術論といったような教養科目を中心に履修していました。法学部だということもあってか、多くの科目が、正義、安全、自由、平等などについて考える内容で、どれもとても面白かったのを覚えています。法律科目以外にも関心が広がったのがこの時期でした。

それから月日が流れ、3年生になった4月に履修登録のためにシラバスを眺めていると、「犯罪学」という科目があるのを発見しました。第一印象は「名前カッコいいけど、なんだこれ?」でしたが(笑)、法律科目の中でも刑法や刑事訴訟法に特に面白さを感じていたこともあり、気になったので履修を決めました。そうして何回か講義を受けているうちに、犯罪を多角的な視点で学ぶことの面白さに興奮し、「もっと犯罪学を勉強したい!」と思い、父親に頭を下げて大学院への進学を支援してもらい、なんやかんやで今に至る、といったところです。
なお、法学部で「大学院」と聞くと「ロースクール(法科大学院)」をイメージされる方も少なくないと思いますが、私が進学したのは通常の(?)大学院で、ロースクールではありません。この点を父親に説明するのが一番大変でした(笑)。(ロースクールについては、【法律行政学科ニュース】法律行政学科教員に聞く?橋爪英輔助教?前編?をご覧ください。)

Q3. (橋爪)この分野を深く学ぶことは、将来どのような進路に活かされますか。

山梨:犯罪学?刑事政策とその周辺領域を学ぶことで、大学生のうちから、犯罪や犯罪対策について「ああでもない。こうでもない。」と考える時間が確保されます。ある意味、社会に出る前に、犯罪(対策)を多角的な視点で考察する「準備運動」ができるわけです。ですから、警察官刑務官保護観察官法務教官などの公安系の進路に進んだ際には、この「準備運動」がきっと活かされます。

また、公安系以外の進路でも、この「準備運動」は必要になりつつあります。実は、犯罪対策や被害者支援は、今や地方自治体の仕事になっているといっても過言ではありません。なので、市役所や県庁の職員を目指している人にも、ぜひ学んでいただきたいなというのが本音です。

さらにいえば、実のところ、福祉を抜きにして犯罪対策を語ることはできませんので、福祉系の進路を希望している方にとっても、将来的に有用な「準備運動」であると思います。実際、社会福祉士の試験科目には「更生保護制度」という刑事政策の内容が含まれています。

Q4.(橋爪)高校生でも犯罪学や刑事政策について学べるおすすめの本があれば教えて下さい。ドラマや映画もあれば、教えて下さい。

山梨:ちょうど犯罪学の授業で「物語作品を犯罪社会学の観点から批評してみよう!」という特別授業を実施したので、そのお話をさせていただきます。この特別授業は、まず学生さんに、自分の好きな作品(映画、ドラマ、小説、漫画、アニメなど何でもOK)の登場人物の行動や舞台になっている社会の様子を、授業で扱った犯罪社会学の理論を用いて解説するレポートを提出してもらい、それを私が可能な限り紹介してコメントするという内容で実施しました。初めての試みでしたが、みなさん楽しみながら犯罪学を復習してくれたようでした。

この授業を行うにあたって私がオススメした作品は、『JOKER』、『パラサイト―半地下の家族―』、『ウエスト?サイド?ストーリー』です。いずれも映画ですが、犯罪社会学の観点で興味深い描写がたくさん存在しています。他にも、『万引き家族』という映画でレポートを書いてくれた学生さんも多かったです。
刑事政策関係でいえば、『すばらしき世界』、『前科者』あたりでしょうか。どちらも刑務所出所者の生活を描いた映画です。あとは『ショーシャンクの空に』ですね。ゼミで鑑賞会を行い、刑務所を出所した後の生活についてディスカッションを行いました。

このように、犯罪学?刑事政策の「教材」は、意外と身近なところにあったりします。理論を学ぶのは難しいですが、このような身近な「教材」を通して犯罪や刑罰について「ああでもない。こうでもない。」と考えることは、高校生のみなさんにとっても有意義だと思います。

Q5.(橋爪)ゼミナール?卒業研究も担当されておりますが、山梨先生はどのようなゼミナールをやっていますか。

山梨:ゼミでは、基本的に、ゼミ生にプレゼンをしてもらい、そのテーマに基づいて全体でディスカッションをしています。

まず、毎週の報告担当者を決めておきます。そのうえで、各自、自分の担当回までに関心のあるテーマについて事前に調べて考察した結果を資料にまとめてもらいます。テーマは犯罪学?刑事政策に関係するものであれば何でもOKです。犯罪学?刑事政策以外でも、私がカバーできる範囲であれば問題ありません。これまでの報告をみていると、薬物犯罪少年法再犯防止児童虐待のほかにも、いじめ部活動における体罰自殺など、幅広いテーマで報告してくれています。

ゼミ当日は、資料を基に報告をしてもらい、他のゼミ生から、「自分はこう思った」とか「この点についてもっと詳しく知りたい」とか「こういう考え方もあるんじゃないか」などといったコメントを投げてもらいます。それらの点について報告者の考えを示してもらい、その回答について改めてコメントをもらい…というのを、お互いが満足するまで繰り返します。

ディスカッションのときは、司会をゼミ生にお願いします。報告が終わったあとで、アプリを使ってランダムに司会を指名します。司会を務めるには報告の内容をきちんと理解していないといけませんから、仲間の報告に誠実に向き合ってもらうための仕掛けづくりという意味合いがあります。ゼミ生にとっては大変な役割なようで、司会を決めるルーレットを回すたびに、少々ざわめきが起きます(笑)。

子ども虐待防止啓発グッズ
ゼミ生が報告で紹介してくれました

ディスカッションの進行は基本的にゼミ生に任せていて、私が発言するのは、質問やコメントの趣旨を確認するとか、報告者の回答を補足するとか、必要最低限の場面に留めています。というのも、私はかなりお喋りなので、一度喋りだすと止まらなくなってしまうんです。このインタビューも気づいたらずっと喋ってますよね…(笑)。なので、我慢して、というより、ゼミ生を信用して、ディスカッションの進行は学生に委ねることにしています。みんな積極的に参加してくれるので、私が出しゃばらなくてもしっかり議論が盛り上がっています。感謝です。

以上が基本的なゼミの進め方ですが、個人的に犯罪学?刑事政策に関連するイベントの案内をいただくことも多いので、希望者がいれば引率することもあります。ついこの前も、ゼミ生何名かと一緒に、東京を拠点として活動している刑務所出所者の方々の自助グループにお邪魔してきました。COVID-19次第ですが、今後は、こうした「教室の外での学び」の機会をもっと増やしていきたいと思っています。

Q6.(橋爪)ゼミの雰囲気はいかがですか?

談笑している様子
(研究室にて)

山梨:これは私がお答えするよりも、ゼミ生の正直な感想を聞いてみましょう。2名のゼミ生が、ゼミの印象などを教えてくれました。

Aさん:先生との距離が近く、コミュニケーションが取りやすいです。

Bさん:アットホームです。みんなの意見を取り入れて、ゼミを進めてくださっています!また、学生自身が主体的に活動できる環境です!

山梨:嬉しい回答をありがとう(泣)。
ゼミの主役はゼミ生のみなさんです。みなさんがやりたいと思う活動を1つでも多く実現できるように、これからも尽力していきます!

Q7.(橋爪)最後に、本学で学びたいという高校生に一言メッセージをお願いします。

山梨:法律行政学科に限らず、大学で学ぶ内容は、抽象的で難しいものも少なくありませんが、私たちの生活に直結するものばかりです。ですから、大学での学びは、他人事やフィクションとしてではなく、“自分事”として学ぶことが大切です。初めのうちは、自分事として学ぶと言われても…と困惑するかもしれませんが、本学には、大学での学びを“自分事”として考えてもらうための仕掛けがたくさん用意されています。安心して、大学での学びに一歩踏み出していただければと思います。

自然豊かな綺麗なキャンパスで、友達と他愛のない会話で盛り上がりながら、ふとした瞬間に、学びのヒントを得る。そんなキャンパスライフを、本学で過ごしてみませんか?

研究室からの眺め
(4月上旬)