~あの先生とお話ししてみた!~ ④ 前編
みなさん、こんにちは。総合政策学部 総合政策学科の 板垣 です。
さて、「あの先生とお話ししてみた!」シリーズです。本学科に在籍している先生に直接話を伺って、先生がたの魅力に迫ろうとする本企画。
今回は 小関 一也 先生です。
地球市民教育をご専門にされています。
小関先生、どうぞよろしくお願いします!
1.お花の力
みなさん、こんにちは。総合政策学部 総合政策学科の 板垣 です。
さて、「あの先生とお話ししてみた!」シリーズです。本学科に在籍している先生に直接話を伺って、先生がたの魅力に迫ろうとする本企画。
今回は 小関 一也 先生です。
地球市民教育をご専門にされています。
小関先生、どうぞよろしくお願いします!
1.お花の力
板垣:それではよろしくお願いします。
と、始めようと思いましたが、先生の研究室はお花でいっぱいですね。
なにかきっかけなどあったんでしょうか?
小関先生(以下、小関):出身が北海道根室なんですが、小さい頃母に連れられて、川沿いの花畑に行ってたんですよね。花を育てた経験があったわけではなかったのですが、知らないうちに「好き」が刷り込まれたのかもしれません。東京の大学で一人暮らしを始めた時も、ベランダに花を置くようになりました。
板垣:その当時からお花がお好きだったのですね。
小関:新しいお花を植えていくと、だんだん増えていってしまって…。ベランダに置ききれなくなってしまったから、アパートの下にも置くようになりました(笑)。
板垣:アパートの道沿いが花畑になっていったということですね(笑)。
小関:そうなんです。面白いのが、東京でも花好きな人達って多くいたんですよ。アパート前が花通りみたいになると、犬の散歩をする人がわざわざそこを通ったり、花の好きなおじいちゃんおばあちゃんが声かけてくださったりしました。そんなことが繰り返されると、コミュニティができてくるのです、だんだん。
板垣:花を通じたコミュニティが自然と出来上がってきたんですね。
小関:そのうち近所の子どもたちが花を使った色水を作りたいと言い出しました。
私は、取っていい花、例えばもう萎れ始めていて摘んでもらったほうがいい花を子どもたちに教えることにしたんです。「これは大丈夫、これはとっていいんだよ」って。そうしたら、僕が花摘みをしなくても子どもたちが勝手に取っていってくれて。
板垣:取ってもいい花を教えたから、お世話をする量が減ったんですね。
小関:そうです。私は、東京で一人暮らしだったんだけれど、近所の人たちと仲良しになりましたね。
おじいちゃんおばあちゃんのところにご飯食べさしてもらったり、お花の会話で盛り上がったりして。
板垣:すごいですね!!何かボランティアや特別な活動でもなく、本当に道端にお花を置いておくだけで!
小関:そう!置いておくだけで!(笑)
花がだんだん増えていくにつれて、色んな人がそこを通って、話かけてくれるようになって、コミュニティが広がり、そして、みんなが喜んでくれる。それが心地良くなりました。花からパワーをもらえると感じられるんで、その時からずっとやってきているんですよ。
板垣:なるほど、お花からパワーですか。
小関:花にはパワーがあると思ってるんです。人を惹きつけてくれる、そんな力があるんですよね。
小関先生研究室前の花庭
これらは全て小関先生がお世話をしているのだそう。
板垣:小関先生は、お花も好きですけど、それを通じたやり取りもお好きですね。
小関:好きなんでしょうね。花を通じて人と繋がれるっていうのが心地いいんだと思います。 東京に行って一人暮らしを始めたとき、少し実家の北海道のことを思い出すことがありました。そんなときに、花を植え始めてみたら、不思議とそんな人間関係が東京でもできちゃうんですよね。
小関:花にはパワーがあると思ってるんです。人を惹きつけてくれる、そんな力があるんですよね。
小関先生研究室前の花庭
これらは全て小関先生がお世話をしているのだそう。
板垣:小関先生は、お花も好きですけど、それを通じたやり取りもお好きですね。
小関:好きなんでしょうね。花を通じて人と繋がれるっていうのが心地いいんだと思います。 東京に行って一人暮らしを始めたとき、少し実家の北海道のことを思い出すことがありました。そんなときに、花を植え始めてみたら、不思議とそんな人間関係が東京でもできちゃうんですよね。
板垣:見ず知らずの人との間にある種の絆が生まれているんですね。
小関:今でもそうですよ。私が今住んでいる家も、南も東も西も北も全部花を植えているんですが、そこを通る近所の人は、よく声掛けてくれるんですよね。「いつもきれいですね」とか「この花なんて言うんですか?」とか。 そんな花談義になるんです。普段話すこともないのに、花を育てている人には、なぜだか話しかけてみようと思うわけじゃないですか。すごいですよね。
思い返してみると、そんな経験ばかりでした。トロント大学に留学していた時、二十階建ての大きな家族寮に住んでいたんです。ただ、ベランダがね、どこの部屋も鳩が巣を作っていて、もう糞だらけで…。
板垣:うわぁ…大変そうですね。
小関:もう鳩の巣だらけだったんです。どこも開けられないくらい。でも、やっぱりここにもお花を置きたいと思って、僕、鳩と格闘したんですよ(笑)
板垣:徹底的に綺麗にし続けたということですね。
小関:鳩って平和の象徴なんだけどね(笑)
ずっと格闘し続けた結果、、、ついに鳩が諦めたんです! そうすると、その二十階建てのマンションの中で、一角だけが花でいっぱいになりました。他はみんな鳩にやられていたんですが…。
板垣:とても目立ちそうな光景ですね。反響はあったのですか?
小関:ありました! 家族寮のすぐ下に公園があったんです。だから、夕食を終えると、子どもだちを遊ばせにやってくるんですよ。トロントってサマータイムがあって、九時くらいまで明るいですからね。そうすると、僕の部屋を見て、みんな口揃えて言うんですよ。「あそこだけ花がすごいね~」「よくやったな~」なんて。だから、「それ僕がやったんだよ」って言ったら、みんなが「どうやってやったの?」「どんな風に花を育ててるの?」と聞きに、また集まってくる。
板垣:新たなコミュニティが誕生したんですね! とっても面白いです!!
板垣:お花でこんなにお話が広がるとは思ってもいませんでした…!!
小関:花はいいですよ。花のお世話をしていると落ち着きますね。あと、色々考えることもできますよ。例えば、花のお世話のために雑草抜くという作業。
板垣:それは…、ごく自然といいますか、当たり前なのではないですか?
小関:でも見方を変えれば、命の選別をしていますよね? この花は残す、この草は取るっていうね。自分が植えた花は生かすけど、他の草花の命を奪ってしまう。
板垣:見方によっては、とても身勝手な行為ともとれるわけですね。
小関:あと、虫にやられたくないから防虫剤を撒きますよね? 土壌汚してしまっているかもしれない。
板垣:なるほど、確かに。でも、雑草だらけになるよりはお花を育てたいです。
小関:結局、何やってもメリット?デメリットがある。正しい答えは誰にも全く分からない。でもそれぞれが選択をして、アクションを起こしている。僕だったら、緑化の問いに対して、「花が一杯になって、花好き人が増えて、コミュニティができた方がいい」っていう選択をして、「雑草を取り除く」というアクションを起こしている。雑草でぼろぼろにするよりも、そちらを優先しているわけです。でもそのアクションが本当に正しいかどうかなんて全然分からない…。
板垣:「雑草よりも花のお世話を選択した」ということだけが確かなわけですね。
小関:これは、とても大切なことで、僕がやっている地球市民教育やSDGsのための教育にも関わることです。
板垣:地球市民教育…、SDGs(持続可能な開発目標)…、ここ最近よく聞きますね。「誰一人取り残さない」ことや人と自然の共存をキーワードにしていますが、もう少し詳しくお話できますか?