~あの先生とお話ししてみた!~ ⑤ 前編
夏真っ盛り。熱中症には十分にお気を付けくださいね。
さて、「あの先生とお話ししてみた!」シリーズです。
本学科に在籍している先生に直接話を伺って、先生がたの魅力に迫ろうとする本企画。
今回は 砂金 祐年 先生です。
行政学?政治学がご専門であり、
総合政策学科の学科長を務めていらっしゃいます。
板垣:本日はよろしくお願いします。
まずは、砂金先生の学生時代をお聞きしたいです。
大学生のころはどのような生活を送られていたんですか?
砂金先生(以下、砂金):学生寮の友達とひたすら遊んで過ごしていた気がします。
寮の仲間たちとゲームソフトを買って、お互い貸しあったり…、
バイトでバーテンダーをやっていたので、お酒を飲むのが好きになり、街中に食事に行ったり…。
板垣:いいですね! 大学の寮だと様々な人と繋がりが持ててより充実した日々を送れますよね(私も寮生でしたのでよくわかります!!)!
砂金:あと、ワンダーフォーゲル部に所属していたんですよ。
山登りですから、結構いろんなところに行って遊んでいましたね。
板垣:では、研究者を目指されたきっかけはあるのでしょうか?
砂金:大学で入ったゼミナールが、様々な場所へ赴いて現地調査してこいっていう感じでして。 まだインタビューの仕方とかよく分からないうちに現場に放り込まれてしまったんですよね。
ただ、意外とそれが性に合っていたんです。
政治学や行政学って、色んな地域に行って、そこの人たちと話したり、ご飯を共にしたりすることも大切なことの一つなのですが、実際に、いろんな場所で調べたりする楽しいな、と。
なので、2~3年生になったばかりの頃に、こういった調査や研究を職業にしたいなと思い、指導教授に相談してみたところ、「大学院に行ったら?」と。そこから意識し始めましたね。
板垣:なるほど。 人と交流することに面白さを見出したということでしょうか?
砂金:それもあるのですが。
砂金:私が小学生の時に、RPGのテレビゲームが発売されたんですよね。
板垣:今も有名な「ドラ〇〇クエ〇〇」ですね(笑)
砂金:当時は、アクションゲームやシューティングゲームが主流ですが、
ただそういうのって反射神経が必要じゃないですか?
私、すごく苦手だったんですよ。
でもRPGゲームは、謎を解いたり、各地から情報やヒントを集めて宝探しをしたりとか、そういうゲームですよね? あれがね、大好きになりまして。
これだ!! と。 俺は将来こういう仕事をしたい、と。
板垣:謎解きとか宝探しのようなことをリアルでやりたい、ということですね。
砂金:友達には無理だと言われましたが、
それでも何とかならないかなと思っていたんです。
その後、大学のゼミナールで経験した調査研究が面白かったので、
「あ、これこそ現代版の謎解きだ、宝探しだ!!」 と。
そこから研究に繋がったのです。
板垣:現代に潜む謎を紐解く冒険なわけですね。
砂金:現場に行くことは楽しいですし、何より色んなことを学ぶわけですよね。
それは単に政策の知識とかだけでなくて、例えば、人との関わり方であったり、お年寄りの方との接し方であったり。
そこで鍛えられたなと自分でも思っているので、そんな体験を今の学生さんたちにもしてもらいたいな、と思っています。
砂金:ただ一方で、私自身の研究って、計量的研究でもあるんですよね。
板垣:つまり、統計などを使って大量のデータを分析する研究でしょうか?
砂金:例えば、議会に提出された意見書で使われる単語の頻度や単語同士の相関性を統計的に分析することで、議会は何に注目しているのか、あるいはどこを問題視しているのか、などを客観的に取り出そうとしています。
喩えるならば、これはね、「魔法」なんですよ。
板垣:「魔法」ですか?
砂金:フィールドに出て人に話を聞くのは、どちらかというと戦士のような、前衛的な調査手法ですけれども…。
板垣:それに対して、データ解析で後方支援的ということですね。 なるほど。
砂金:結局フィールドっていうのは、深く狭く知る手法だと思うんですよね。
でも計量的研究は、幅広く一般法則を掴もう、というものですから、
量的研究と質的研究を組み合わせてやっています。
板垣:二つの研究を両立しながら検討されているのですね。
砂金:例えば意見書って、なぜ可決したのかを会議録見ても、
建前しか書いていないので、本音とかあまり分からないじゃないですか。
板垣:まぁ、たしかに。
砂金:実態はどうなのか、というのは議会事務局の方や関係者の方に聞いてみないと分からないわけです。 そこはやっぱり計量的研究で推測はできたとしても、真実かどうかは確かめにくいのです。
だからこそ現地に行くわけです。
実際に聞いて、文字だけ見てても見えてこない情報を得るためにも、
現場を見に行く必要があると思っています。