~あの先生とお話ししてみた!~ ⑤ 後編
茨城町鳥羽田区で開催された「鳥羽田ふれあい祭り」で撮った1枚。砂金ゼミナールの学生さんは毎年参加して、地域活性化の現場を学ぶんだそう。
板垣:これまで先生のご経歴やご研究を伺ってきましたが、
総合政策学科の講義についてもお聞かせください。
例えば、「現代日本政治」や「政治学原論」などでは、どのような授業をされていますか?狙いがあればお聞かせください。
砂金:「現代日本政治」や「政治学原論」は、入学したばかりの学生が最初に履修します。 そこで学んでもらいたいことが大きく2つあります。
まず1つ目は、大学の学びは、中学高校の勉強とは全然違うってことを実感してもらうことです。
政治に関わる科目って、中学の公民とか、高校の現代社会?政治経済がありましたけれど、暗記ばかりの印象がありませんか?
板垣:そうですね…。制度や人名を覚えてばかりで、面白くないですね…。
砂金:だけれども、大学は、自分でどう考えるか、を鍛える場所です。 そのための判断材料や知恵、考え方を身に付けるのが大学教育だと思っています。
だから、中学?高校と違って暗記すればいいんじゃないぞ! 習ったことを使って自分でどう考えるか、という 考えるための授業なんだぞ! というふうに伝えています。
砂金:2つ目は、謎解きの面白さを味わうことです。
例えば、日本の借金って今1千兆円くらいあると言われていますね。 赤字国債出しながらも、毎何兆円か海外に支援しているじゃないですか。 なぜでしょうね? なぜ、日本はこんなに結構な額を海外支援しているのだろうか? そして支援できるのだろうか?
あとは、天下りは悪いものだ、っていうイメージあるじゃないですか? でもまだ無くならないじゃないですか? なぜだろうね? などなど…。
板垣:普段のニュースでも目にしそうな謎ですね。
砂金:そういった謎を解くためのヒントが、政治学のモデルだったりするので、
それを学生たちに伝えて、「あなたはどう考えますか?」というふうに、謎をさらに問いかけて終わる、っていう謎解きをやっています。
板垣:政治学の知識を取り込みながら、謎解きに取り組んでいくわけですね。
砂金:そうですね。
政治ってやっぱり分かりにくいし、あまり面白くないと思っている人がほとんどだと思うんですよ。 でも、考えてみると、新聞のトップニュースを飾るのはだいたい政治ですよね。 新聞社だって売れなければ潰れてしまうので、読者に興味のあるような紙面作りをしているはずなんです。
で、そこに政治が最初に載せてあるということは…。
板垣:政治に関心を持たれているというわけですね。
砂金:政治には難しさがつきものかもしれませんが、
でもそれを解きほぐすというか、ある程度シンプルに考えるためのツールが政治学であったり、行政学だったりするので、それを授業で提示することで、今後、政治について考えてもらいたいと講義に臨んでいます。
板垣:ありがとうございます。 では最後に総合政策学科を考えている高校生にメッセージをお願いします。
砂金:世の中を見回すと よく分からないこと 「謎」 が一杯あるんですよね。
その中で、分からないことを放置するのではなく、なぜなんだろうと疑問に持ち、それを解き明かしたいっていう、そういう気持ちを持った人に来て欲しいなと思っています。
地域の話題でも地球の話題でも構わないし、もっとプライベートなこと、人と人との関係でも構わないんですけども、そういった様々な謎を解いてみたい っていう方に来てほしいなっています。
特に、総合政策学科は、色んな方向から謎解きの答えを探せる学科です。
法律学だけとか、経営学だけではなく、
政治学もあれば、経済学もあれば、言語学の方もいて、
色んな学問の先生がたがいて、それぞれ謎解きをしています。
本学科に入ったら、いろんな謎解きの方法を学べますので、
ぜひ、そういう色んな謎を解きしてみたいという方にいらしてほしいと思っています。
板垣:ありがとうございました。
高校?大学?行政が連携し、地域活性化を目指す取り組み「高大官連携プロジェクト」砂金ゼミを中心に進むこのプロジェクトは、2021年度オンラインで実施されました。