地球市民への入門講座
グローバル教育の可能性
【書籍情報】
書籍名 | 地球市民への入門講座 グローバル教育の可能性 |
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出版社 | 三修社 |
監修 | 宇田川晴義 |
著者 | 小関一也、小島健太郎、尾崎司、淺川和也、桜井高志 |
発売日 | 2001年5月 |
価格 | 2,100円(税込) |
書籍の紹介 | 目次 |
本書の構成
本書は7章からなり、第1章と第2章で総論を、第3章から第7章でテーマ別に各論を扱っています。 各章の内容は以下の通りです。
第1章「新しい教育のパラダイムも求めて」では、現在の教育のあり方について問題提起と提案を行います。 まず新しい国際理解教育の視点としてグローバル教育論に注目し、日本の国際理解教育の変遷をたどります。 その上で「地球市民」を育成する教育の必要性を論じます。
第2章「グローバル教育の全体像」では、欧米の理論と実践を蓄積してきた「グローバル教育」を概観します。 多様に展開する「グローバル教育」の特質を抽出しながら、できるだけ広い視野からその全体像を浮き彫りにしていきます。
第3章「地球視野でとらえよう」では、「地球的視野」から私たちの外側に広がる外部の世界を見ていきます。 ここでは、私たちが暮らす地球について理解を深めます。身近な地域と広い世界との「つながり」や、地球規模での「つながり」などを、 具体的な事例を踏まえてとらえていきます。
第4章「『内なる旅』へとでかけよう」では、私たちの内側にある内部の世界を見ていきます。 私たち1人ひとりの可能性を探る「学び」について理解を深め、外側に広がる世界の問題に取り組むことと内部の世界とのかかわりを見ていきます。 また、かかわりを持ち行動することを通じて、自らの可能性を信じ日常生活から変えていくことの重要性を考えます。
第5章「違いを認める―多文化共生へのコミュニケーション」では、多様化する社会において「違い」を乗り越え、共に生きるためのスキルについて考察します。 文化のとらえ方、基本的なコミュニケーションのあり方、国際語としての英語学習などを素材に論じます。
第6章「未来を創ろう」では、急速に変化する社会において、未来のイメージ、未来の地球そして未来のための教育と、 多角的に未来をとらえながら「未来」のビジョンを共有していくことの重要性を示します。 また「地球市民」の1人として、私たち1人ひとりが、公正な地球社会の実現を目指して社会参加の可能性を探ります。
そして第7章「大学改革にグローバル教育の視点を」では、大学改革を例にグローバルな見方の持つ意義について述べてみたいと思います。 大学や学問も「キレる」時代を象徴しています。「繋ぎ、繋がる」パラダイムが大学改革にも求められます。
以上のように、本書の各章は、グローバルな視点から21世紀の世界そして地球を見渡し、環境、人権、開発、平和などのグローバルな諸問題を自らの問題としてとらえ、 積極的に社会とかかわり行動していく地球市民をあぐくむことを目的にしたものです。 そして、本書が学びの全体性を実現するために必要とされる新しいパラダイムと、教育の新しい方向、さらに地球市民としてのあり方を模索することができれば幸いです。
第1章 新しい教育のパラダイムを求めて (宇田川晴義)
- 21世紀の新しいパラダイム
- 教育の国際化の変遷
- 地球市民への期待
第2章 グロ-バル教育の全体像 (小関一也)
- 地球時代の教育
- グロ-バルな世界
- グロ-バル教育の理論
第3章 地球規模でとらえよう (小島健太郎)
- 相互につながりあう世界
- 地球規模の諸問題
- 平和を築く
第4章「内なる旅」へと出かけよう (尾崎司)
- 私たちを包みこむ文化
- 人間の営みとしてのコミュニケ-ション
- 「グロ-バリゼ-ション」と言語,文化
第5章 違いを認める―多文化共生へのコミュニケーション (淺川和也)
- 私たちを包みこむ文化
- 人間の営みとしてのコミュニケ-ション
- 「グロ-バリゼ-ション」と言語,文化
第6章 未来を創ろう (桜井高志)
- どのような未来を描くのか
- 地球の未来はどうなるのか
- 未来のための参加の可能性
第7章 大学改革にグロ-バル教育の視点を (宇田川晴義)
- グロ-バル時代に求められる教養
- 大学改革への「繋ぎ、繋がる」パラダイム
- 国際理解教育を紡ぐために
- 関連用語集
- 参考図書リスト